自分たちにとって、ちょうどいい そんな家族のカタチを探して


 「たたいたりつねったりしてしかられる」。長女が学校へ伝えたSOSをきっかけに、子ども相談センターが私たち家族に関わるようになった。髪の毛を上手に洗えない。ご飯を食べこぼしてしまう。日常のいたるところにつまずきのある次女との関わり方には、特に悩みを抱えていた。手を出す私を止めると喧嘩になるからと、妻とはほとんど会話がなかった。長女は次女に対する私の困り感も理解できるからこそ、家庭にストレスを感じていたらしい。
 また叩いてしまうことを恐れて、家族と無理やり距離を置いた時期もあった。次女の障がいに葛藤する時期もあった。現在は地域の福祉に頼ろうと、学校に特別な支援をお願いし、放課後にはデイサービスを利用。全員でセンターに通い、家族の時間を作っている。
 「服がほしい」「遊びに行きたい」。センターの職員さんが間に入って、娘たちの想いを伝えてくれる。次女が好きな折り紙などで一緒に遊ぶこともあって、こういう時にはこんな対処をすればいいのかと知る時間にもなっている。
 どうすればみんなにとって居心地のいい家庭になるのか。問題すべてがキレイに解決することはない。だからこそ周囲の力を借りながら、家族で一歩ずつ前へと歩みを進めている。
 
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています。
 
 
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