「もし、虐待と思われたら……」 我が子の泣き声が夫婦のストレスに
間違いなく事故だった。
体を動かすのが大好きな息子。外出自粛期間中は、家の中で遊ぶ時間が増え、机の角に頭をぶつけてケガをしてしまった。病院を受診すると、息子の安全が確認できるまで、子ども相談センターに一時保護されることになった。我が子と引き離されることに、最初は納得がいかなかった。
息子はすぐに戻って来たけれど、安全への配慮が足りなかったのは事実だと諭された。子ども相談センターの助言のもと、家具の角にクッションをつける等、養育環境を整えていった。
夫が関わると息子は泣いてしまうから、子育ては私の担当になっていた。泣き声が近所迷惑になっていたら、虐待と誤解されたらと思うと、気が気じゃなかったのだ。だけど子ども相談センターの一言に、だいぶ気が楽になった。
「泣くこともお子さんの成長には必要なこと。通報があったとしても、ふたりの頑張りは知っているから大丈夫だよ、自信をもって」
いまは子育てサロンに出かけ、アドバイスを貰ったり、悩みを共有したりしている。私が育児をしている間は、夫が家事をし、負担を分担できるようにもなった。息子の成長はもちろんだけど、親として、妻として成長できることに喜びを感じる毎日を送っている。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています。