変えられない、じゃ変わらない 家族を繋ぎなおした生活の見直し


 毎月訪れる苦痛の日々。体の不調に悩まされる生理中は、どうしても息子の世話ができなかった。食事だけはなんとかあげていたけれど、叩いてしまう日もあった。
 主人が子育てに消極的だったわけじゃない。けれど泊まり勤務のある不規則な仕事で、わたしの調子が悪いときと、主人の忙しい時期が重なると、どうしても子育てできる余力がなかった。引っ越してきたわたしたちには、頼れる人が近くにいない。生理が終わっては、自責の念に苛まれた。
 「もう、ムリ」。子育てに限界を感じて保健師さんに相談すると、子ども相談センターの人に繋いでくれた。「少しの期間だけ、預かってほしい」。こう伝えたわたしたちの要望を叶える形で、養育里親さんに数カ月預かってもらうことが決まった。
 離れている間、ただ体調の回復を待っていただけじゃない。まず役所に相談して、公営住宅へ引っ越した。家賃が安くなった分、無理して働かなくてもいい仕事へと主人は転職。家族一緒に過ごせる時間が増え、皆で笑い合うことが多くなった。
 これからも思わぬ変化はあるだろう。それでも、周囲の支援を力に試練を乗り越えた経験が、勇気をくれると信じている。
 
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています。
 
 
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