「ひとりでがんばらないで」 親子のSOSの声に寄り添って


 「定期健診を受診してくれない」「やっと病院に来てくれたが、発育が遅い。ネグレクトでは?」。病院からの通告で一時保護されたのは、シングルマザーの赤ちゃん。私たち自治体の担当部署と、子ども相談センターが、出産後から見守ってきました。
 お母さんに「ちゃんと育てなきゃ」という思いはあるけれど、遊びたい盛りだし、育児能力は高くありません。実家とは折り合いが悪く、頼れないようでした。
 このままお母さんのもとに戻れば、無事成長できるかどうか心配です。子ども相談センターは施設入所を提案するも、返事をはぐらかされるばかりでした。親子をなんとか支援したいと思っての行動は、お母さんには責められているように感じられたのかもしれません。
 お母さんの不安をなくそうと、施設の見学を提案。面会が実現すると、元気に過ごす赤ちゃんと、親身になって話を聞いてくれる職員の姿に安心したのか、入所に頷いてくれました。
 あれからお母さんは、親子で暮らせる日を目指して、一生懸命働いています。家庭の状況の変化を見守りながら、その目標が叶う日を、私たちも待ち望んでいます。
 
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています。
 
 
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